第33話

俺は佑都にはドトと呼ばれていたが、ドっちゃんか。ナリアの呼び名だよな。あの子はナリアに髪の色も目の色も同じだし雰囲気もナリアを思わせるんだよな。本当にナリアの生き写しだな。そして俺も孫を持てるのか。よくユウトは自分の子供にナリアの色を持つ子がいないと嘆いていたが、ユウトがまさか孫にナリアに似た子が出来るなんて思わなかっただろうな。レイカと一度も会うことが出来なかったことは悔やまれるけど、レイサちゃんの話を聞くと、すごく妹が好きだったのだろうな。だから自分の危険を顧みずに妹を守ってくれたのだろう。本当にレイカはユウトが言ってくれたことを妹にも教えていたんだ。レイサちゃんもきっとお姉ちゃんが大好きだったから覚えてくれていたのか。そうか、レイサちゃんはみにくいアヒルの子だったか。そんなみにくいアヒルの子と出会い、俺の息子は、みにくいアヒルの子を白鳥にしたか。レイサちゃんはアキラがいるからああやって笑えるんだろうな。アキラもレイサちゃんだからああやって情けない顔になるんだろうと思った。みにくいアヒルの子が白鳥の子だっていうのは本当のようだ。また見に行ってやる。ドっちゃんとしてな。

そういうと嬉しそうなドっちゃんは帰って行った。

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