第3話

ああーここでは殺せないからどこかに連れて行くんだと思ったが、その先にはいつも大通りを走っていく車というものがあった。その車を開け私を優しく降ろし、扉を閉めた。そして彼が乗り物に乗ると、お前が冷えてるからこれ使えといい、毛布を体にかけてくれた。車のエンジン音とともに暖房というのをつけると暖かくなった。少しは温まったろという彼。ねえ。私をこれからどうするのというと、取って食ったりとか危ない目には合わさないから安心していいぞというと、頭を撫ぜてくれた。ああー暖かい。彼は神様なのだろうか。それとも仏様なのだろうか。と思いながら、私はこれからどうなるのだろうかと思った。お腹も満たされてこの車のぬくもりが安心したのだろうか、私はウトウトしはじめてしまった。そして彼が運転する横でしずかに寝息をたてねてしまったのだった。そして私は気付くとベットで横にさせられていたことを知る余地もない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る