第2話
そんなある日だった。今日も突き刺さる目だ。あの目が怖い。
だけど気にしない。3日ぶりに食料にありついた。その残飯を漁りながら、先ほどから目をむける男を見た。その目は私と違って漆黒の瞳で髪も黒くて。だが、私に向けられた瞳はなぜか、辛そうだった。その時だ。あれみにくいアヒルだと言い、向かってくると、残飯の中身をひっくり返していたのだ。あら、ごめんなさい。これ片づけておいてねというと、そいつはどこかに行った。それを食べようとした時だった。先ほどの悲しそうに見ていた瞳がすごく悲しそうに見えた。そして私に近づいてきて弁当を差し出してきたのだ。これ食べたら俺の言うことを聞いてもらうぞという彼。私はお金はないけど、言うこと聞いたら食べていいのと聞き、彼はああー言っとくが金はいらない。ただ俺について来いというのだ。誘拐されるってことかな。だったらお金のない家だから私は殺されるかなと思った。でもそれでもいいと思った私は条件をのんだ。この弁当おいしそうだ。一回まともなものを死ぬ前に食べれるのはうれしく、味わって食べていた。この弁当の中に入ってる卵焼きがおいしくて、がっついてしまった。ああーお腹いっぱい、もうこれで死ねるならいいやと思った私。すると彼は私を割れ物を扱うように抱っこして連れて行ったのだ。
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