あいつまさか

第21話

SIDE満

この日の朝、隼人の着替えを取りに彩斗の部屋に入るとあいつの体操服がない。俺もあいつが捨てたとかは考えにくいので、あいつまさかと思った。だとしたら今、体育が終わったばかりだしその予感は的中した。電話が鳴る。「はい希望の家です」といい、とると、学校からだった。俺はきり終わると同時に走った。学校に行くと、保健室に直行した。

「狩場さん、すみません。本当に。僕が彼にもう少し配慮して、個別に話を聞いてあげていれば」と言われた。

俺が彩斗に、「先生に謝れ」といい怒鳴った。

「ごめんなさい」というと、「彩斗帰るぞ」といい、俺も先生に「このたびは申し訳ありませんでした。先生は子供の命を預かる身なのにそれを彩斗のわがままのせいですみません。それに私も参観日の日にいえばよかったんです。本当にすみませんでした。」と謝った。「狩場さん、僕のほうは、大丈夫ですので気にせずに、とにかく気づくのが遅かったらどうなってたか、早く気づいてよかった」という先生。

「とにかくこいつを今日帰って反省させますので」という。

連れて帰ると氷と水を隼人が持ってきたので、隼人は小さいながらにわかってるんだなと思った。

隼人に「ありがとう」というと、隼人は自分の部屋に行く。

「彩斗ひやひやさせやがって、俺の心臓何個あっても足りないぞ」といい怒ったが、「今回の事は俺にも責任があるもんな。お前はただみんなと同じことをしたかっただけなんだろ、でもな彩斗お前は今回にことでわかったと思うが無茶だろそれは。」といい氷の入った袋とタオルを当ててやる俺。すると彩斗は「兄貴、ゴメン」といった。

「彩斗、俺と隼人まで心配させたな。許さないぞ、罰として今日はこの部屋で三人で寝るんだ」といってやる。

「ご飯が、まだだったな」というと、隼人が箸とコップを台所で準備していた。「なあ隼人。ご飯作ってる間、彩斗の部屋に行け」といい、「見張りだね」という隼人。「ああー頼むよ、お前の兄ちゃんを無理させるな」という俺に、隼人は「ラジャー」といい敬礼して部屋に向かう。

冷やしたうどんとヨーグルトを「出来たぞ」と持っていくと、隼人は彩斗に「あーんは兄ちゃん」という。俺はクッと笑いをかみしめる。「彩斗、隼人に食べさせてもらえ」といったら、「ほら、兄ちゃん、これは僕からの罰だと思ってよ」と隼人がいい、彩斗はあーんして食べる。そしてこいつらが食べ終わったので、隼人は昼寝中だったので、彩斗が「俺、普通だったら、隼人みたいになれるのに、隼人の普通の身体がほしかったよ」というが俺は、「そっか。やっぱりな。でもな、彩斗これだけは覚えておけ。隼人は、彩斗のおかげで、こうやって生きてるんだぜ」といった。

そしてこいつが、「兄貴今日は本当にゴメン。俺にはこいつがいるから生きてるんだ、お互いさまだね」という。「ふう、まったく、彩斗、お前は俺に似てるな、お前見てるとドキドキ、ひやひやするよ。俺も昔な。お師匠さんに無茶なことをしたら、こんなお仕置きをさせられたよ。これからは心配させたってかまわないけど、こうやって苦しいことはやめろよ」というと、「わかった」というのであたまを撫ぜてやった。

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