体育の事

第20話

SIDE彩斗

「ただいま」と兄貴が言うと隼人が「お帰り」という。

「兄貴おかえり」というと、「彩斗お前に話がある」と言ってきた。

隼人は「僕、千秋ねえちゃんと遊んでるよ」というと、兄貴が「ちょっとカウンセリングにこい」と言われるから、体育の授業の事かなと思った。

兄貴、「俺ゴメン。体育はダメだ」といった。「それはわかってるんだがどうしていわないんだよ」という兄貴。「先生、心配してたよ。おいおいお前な。病院の先生に、なんて言われたんだよ」と聞く俺に、「君は汗が出ない体質なんだから体育は見学しなさいといわれたんだけどね。どうしてもいえないもん。」俺も言おうとしたけど彩斗が自分で言わないとダメだと思ってな。いわなかったんだ。

俺は無汗症という病気を患ってる。汗が出ないと体温調節がうまくいかないというやつだ。それが俺は言えない理由はいうと俺は体育が嫌いなのかとか聞かれそうだもん。

「兄貴、どうしよう」というが、「彩斗、いいから先生に伝えろ」と言われたが、「わかった」というと、次の日の体育に出た。

俺が走ってた時に、それは起こった。「彩斗、大丈夫」と聞いてくる友達に俺は返事が出来なくなっていた。友達が「先生、彩斗の様子がおかしいです。」という。俺のおでこに手を当てた先生、「彩斗君まさか」というと「とにかく保健室に行くぞ」と言われたので連れていかれた。

そして水で冷やされてる間、俺は先生に「俺の身体は汗が全然でないんです。俺も言えなくてすみませんでした」と伝える。「狩場さんにとにかく連絡するよ。わかったね。」と言われる。「やめてください。兄貴には迷惑かけたくないんです。俺が言えばよかっただけなんです。」「僕はあの人を責めないし、僕こそゴメン。君と個別に話ができていればよかったんだ、もう少し君の事を配慮で来ていれば」といい悔やんでる先生に、「兄貴を呼ぶのだけはやめてください」とお願いした。「ダメだよ。とにかく迎えに来てもらうよ」という先生は本当に僕の事を心配していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る