会話

第15話

SIDE満

「電話をしていただいて、ありがとうございます。」連の父が俺にぺこりとさげた。

「連とあなたを見ていたら、あなた方なら大丈夫だと思いました。

電話ではすみませんでした」と頭を下げた俺。

「いえいえ、あんな風に言っていただけて、うれしかったです。蓮が苦しんでると言ってきたこと、実はわかってたのですよ。もう少し早く来るべきだったんです。あれから私は会社の待遇を変えてもらえたのです」といい語り始めた。

「実は、私は隣の方に、連の様子を見てきたといわれてました。そのかたがいうには、連の事を見てない、私が声かけようとも思ったといわれてました。そして私も、協力するから、連を引き取ってあげてといってきたんです。もう身体は大丈夫だからといってました。本当に、蓮あっての私で、私は蓮がいないと、なんもできません。」というと俺が「蓮君を、ここで抱きしめたときに、あなたは蓮君を愛していらっしゃるということがわかりました。だから蓮君を愛してあげてください」というと「明日、僕クラスのみんなにさよならしてきていい」といったので「ああーそうかわかったよ」といい「私は時間ぎりぎりまで、ここにいて安い民宿にでも泊まるとするか」という連の父親。「あの希望の家にどうぞ、部屋はたくさんありますし使ってください」と部屋を差し出す。

「ありがとうございます。そうさせてもらいます」といい連の父が夜、俺の部屋を訪ねてきた。

「こんばんわ、希望の家というのは、いったいどのようにして作られたんですか」と聞かれた。

「実は、ここは僕の恩人である人が、親がいない子供たちや様々な理由で、親が育てられない子どもを引き取ってあげられるようにということで作った場所なんです。その方は、探偵で、経済的にもお金もあり、何かしたいと思いつくったんです」と伝える。

「その人の名前は、猫フミヤですか」と聞いてくるので、俺もびっくりして、「猫と知り合いですか」と聞いた。「ええー。猫さんにはお世話になったことがあるんです。私は18から、2年間、大学の一環授業として猫さんの催眠術を見せてもらったことがあるんですよ。あの方はすごかったですし、催眠術の講義は、私も結構楽しみだったもので」というと彼は「あの頃は学生で楽しかった」と思い出に浸っていた。

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