第34話

龍君は私の下着姿を見て毎回、女の子だからそんな格好してこないのとかいってるあの余裕ぶりには毎回驚いている。すると、お母さんがおばあちゃんとおじいちゃんがやってくるよって言ってくれた。昔からおじいちゃんとおばあちゃんが大好きな私。嬉しいと思った。今回はなんと1週間もいてくれるって話だ。おかあさんもおとうさんも喜んでいるが。龍君は俺いないほうがいいかと聞かれたけど、龍君、いていいよ。おばあちゃんもおじいちゃんもきっと君が気に入るさというと、かおちゃん、いていいのと私に聞くので、いていいんだよという。塔矢が亡くなってもう3年がたったな。命日の日の今日はというとお父さんとお母さんと私と今年は龍君がいて、仏壇に好きだったももゼリーと桔梗を飾って塔矢の思い出を語るのだ。すると龍君はこういった。塔矢はももゼリーが好きでよく食べていたのを思い出すな。俺が抗がん剤打ってるときには隠れて食うんで、おれが隠れないで食えっていってさ。そういうと龍は食べたいけど食べれないからだからっていうんだよ。でもあいつが抗がん剤の時に俺が隠れて食おうとしたら怒ってね。こういったのを覚えてるわ。俺に隠れておいしそうなものを隠れて食うの。抗がん剤打ってるのは気にしなくていいから幸せそうに食ってくれっていうもんで、食べてたんだ。龍のおいしそうな顔見たら幸せなんだもんっていって笑ってるんだ。つらいことなのに笑ってるんだ。という龍君の言葉を聞いてびっくりしたようだ。そしてかおちゃんはこういった。家ではかなりぐれていたんだよ。私がさ格闘技してて、出かけて帰ってきたときだってどこいってたとか聞くし、格闘技だって言った時におてんばさんがそんなことしてどうするつもりっていって喧嘩になるしというと、はははと笑う龍君。そんな龍君の笑ってる顔を見てると私はうれしかったのだ。

お母さんは、でも塔矢はかおちゃんとどんなに喧嘩しても一緒にいつも寝てたね。私たちはそれが懐かしいわというのだ。

覚えてるかな。いつだったけ。私たちが龍君と売店にももゼリー買いに行って帰って渡したら、これ違うことないといわれてよく見たら黄桃と白桃を間違えて買ってきて、龍君がおなじももなんだから文句言うなっていってくれてたっけ。そんで塔矢も笑ってたっけな。確かに同じももだって。龍君は私たちを気遣っていってくれたのに、塔矢のツボにはまってしまって大笑いしたっけ。というと、懐かしいお兄ちゃんの話、私の知らないお兄ちゃんの話が聞けてよかったなって思った。

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