第4話

私が目を覚ますとお母さんとお父さんがほっとしたような顔になった。おはようというと今はゆっくりしていいよという。

でも私は聞いておきたかった。どうなったかを。すると私の前に現れたのは優しそうな先生だった。おはよう。僕の事は先生じゃなくてもいいから、僕は大木亮ですというので、亮先生と呼ぶことにした。

さっそくだけど、君の足は見ての通り切断した。というと私はこういった。亮先生。命を優先してくれたんだね。ありがとうというと、君は変わってるね。と言われた。私を生かしてくれた先生に本当に感謝します。だって私はお兄ちゃんの分まで生きないといけないんだものというと、お母さんは説明してくれた。この子には双子の兄がいてね。名は塔矢。本当に妹思いの優しいお兄ちゃんでした。骨肉腫を発症して足を切断もしてました。でも最後に肺に転移してもう医師からは手が付けられないって言われて私たちは絶望的でしたが、塔矢が最後ぐらいは家に帰りたいなという願いをかなえてあげることが精一杯でしたが、その時塔矢はなぜか穏やかに見えました。その理由はこれからかおの隣に僕は死ぬまで一緒に寝てあげることが出来る。かおちゃんは本当に寂しがり屋だからっていって、それと私たちにかおのことをうらやましがっていつも言ってました。かおは健康でいいな。うらやましいなって。そして亡くなる前の日かおちゃんは塔矢に約束させられてました。かお約束して。自ら命を捨てないって。どんなことがあってもかおは僕の分まで楽しんでね。といったんです。それに肺に転移してることがわかってもあの子はかおちゃんには生きるっていいな。かお、僕はもうすぐ天国に行くよ。だからかおは僕の夢をかなえて。学校も行って、友達も作って、恋もしてといったんです。私は兄が出来なかったことをしたいんです。足を失ったとしても生きますよというと、先生がかおちゃんは本当に強い子だね。でも無理だけはしなくていいからね。君の足を切断してしまったのは悔いが残るけど、僕も生きることを応援してできる限り協力するよといってくれた。

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