マコトのカウンセリング
第32話
SIDEマコト
カウンセリングをしてるといろんなものが明白に見える。
アリサは人に対しての恐怖感が強い。俺がテーマを決めて絵を書かせる。テーマは春。というと桜を書くアリサ。色を好きに縫っていいといった時に前は何も色が付かなかったアリサ。
今日は、色を少しだけ付けた。何色だと思って見てみるとすべて黒だった。
黒ということはまだアリサは暗闇の中にいるっということ。
最初は真っ白だったアリサの絵に色がついたのは大きな進歩なんだけど、こいつは深い傷を負ってるのだと思う。
黒かあと思ってると、すこしだけ明るい黄色と赤を入れる。
端に太陽を書いていたので、すこしだけだが希望というのが見えた。そして出来たよといい俺が絵を見る。俺はこの絵を見たとき、ある少女の存在を思いだす。俺が相談員の見習いで実習を受けたときに児童相談所にハルカという少女を先輩のアシストとしてみていた時だった。この子は親に性的虐待をされ保護された。
女性職員には懐くのに、男性職員には懐かないらしい。そうだよな。性的な虐待を受けると異性を拒絶するっていうからな。と思ってると、俺にハルカは遊ぼうと言ってきた。ほかの男性職員たちはびっくりしてる。なんでマコトに懐くんだろうという声が出たけど、遊んでやると、今度は俺に抱っこをせがんできた。俺はハルカを抱きあげた。ハルカはなんで俺をと言ってると絵を見せてきた。俺はこの絵を見て、この子は俺を書いてくれたんだなと思う。すると女性職員のかたがひそかに教えてくれた。
ハルカは男性を怖がるのにあんたを怖がらないのは不思議だと思って聞いてみたの。そしたら毎日新聞配達のお兄さんがチューリップに水を上げに来るにきて手を振ってくれたっていうのよ。ハルカはそのお兄さんが助けてくれたらしいのよっと聞かされた。後でわかったことだが、その新聞配達のお兄さんは夜号外を配りに来たとき、家から異常な泣き声とやめてという声が聞こえて、おかしすぎると思って中をのぞいてきたんだそうだ。その時の光景が異常な光景だったので児童相談所に通報したらしいのだ。あんた毎日ここの花に水をやってるからあんたを新聞配達のお兄ちゃんと同じことをしてるっと思ってるみたいだよっという。
その後、彼女は祖父母の家に住むということになって引き取られていった。俺にハルカは、お兄ちゃんありがとうと言って笑顔で祖父母と帰っていったっけ。
思いふけってると急にアリサに呼ばれる。マコトと呼ばれ俺が何と聞き返す。アリサ、どうして桜は真っ暗なのと聞く俺。
するとこいつは、桜が咲いた日、お母さんの虐待が始まったのっというアリサの声に耳を傾ける。こいつお仕置きと言ってたはずなのに虐待だっていったなと思う俺。アリサ、そうか。つらかったなという俺に、でも、マコトが助けてくれたから、といい、太陽を見た俺。こいつ少し傷がいえてきてるそう感じた絵の一枚だった。
大きな進歩だ、アリサは少しずつだけどよくなってるそう感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。