第8話

私はこれからバイトでもして家賃の安いアパートで暮らそうとしていた。「先生、私これから一人で暮らそうと思って」というと、「高校生の君に親の許可がないと貸してくれないよ。家出してきたんだろう。どう俺の家の一室を貸すから住んでくれない。それと同居人もいるけど、同居人の世話をしてくれたらいいし」というのは猫の事かと聞いたら、「そうだよ」というと、私はokを出した。

「それと時々、琴原って男の人が訪ねてくるけど、僕の義理の兄貴だから」という。家族はどうしてるんだろうと思うと顔に出たらしくて先生が教えてくれた。「お父さんとお母さんは僕が10歳の時に病気で亡くなった。姉が一人いたんだけど・・・・・・。というと姉も亡くなったんだよね」という。「で義理の兄貴がいるから、兄貴は鬱があるし放っておけないんでね」という先生。「そうなんだ」というと、悲しい顔をしたので私は聞くのをやめた。

家に帰ると、「ニャー」という猫一匹。私に対しても変わらずにニャーという猫。挨拶されてるんだね。「ゴマただいま」というと、早速腰かけた先生の所にゴマが「ニャー」といい、「ただいま」というと、何かおねだりをされてる先生。先生が撫でると満足なのか勝手にどこかにいなくなった。「ふふふ。ゴマは男だよ」というと、私は嫉妬深いと思われてるみたいで先生が私にいってきたのだ。

「案内するよ」というと、ゴマが私たちについてきてることを知らなかったけど、案内されたのは私が使うことになる部屋だったのだ。

トイレやバスルームまでついていて、すごくきれいな部屋だったのだ。

ベットに寝た時、ゴマが私の所でくつろいでるので、「こいつはお前を姉貴だと思ってるのかもしれない」というと、悲しく辛い顔を一瞬だけ見てしまった。

先生は、「ゴマは姉貴が連れてきてもう8年年になるけどね。この部屋にいまだ寝るから」というと、先生に「私借りてもいいの」と聞くと、「ああー、ゴマも拒絶しないし、本当にこいつはいやなら警戒して近寄らないからね」という。

亡くなった理由は聞かないほうがいいのかもと思い、聞かずにおこうと心にしまったのだった。

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