第59話

幸さん、膝痛くないというと、全然。療治軽いねというと、僕はさすがにこのままだとと思い、下りた。そして、幸さんといったら、療治、僕はこの車いすに乗って長いんだけどね。全然苦痛にも思わないの。僕君のお父さんと出会った時に学校でお父さんに授業をお願いしてたらびっくりされちゃった。僕、教師って仕事をしてるんだ。学校の先生。というと、俺は幸さんにすごいと尊敬の目をむけた。療治は素直に育ってるね。お父さんが帰ってきては愛情をたっぷり注いでたんだね。君のお姉ちゃんもというと、その通りだ。そんなお父さんが亡くなったんだもんね。泣きたいのに我慢してたみたいだから。泣いていいんだよというと、僕は胸を借りて泣いていた。幸さんは、そんな僕を気が済むまで付き合ってくれた。僕は幸さん。僕の事引き取ってくれるのというと、うん。というと、弘が言った通りだしというと、にこりとした。穏やかな笑顔。すごく安心した。

お姉ちゃんも話が終わった時、幸さんは弘さんに僕たちの子供たちだよというと、弘さんも幸人よかったなというと笑顔になったのだ。そんな僕たちは幸さんの出来ないことや弘紀さんのお手伝い、自分たちで出来ることはしていた。僕はこの人たちの事をお父さんたちと呼ぶのだ。そして父の友人やいろんな人達に出会って僕たちはお父さんたちがすごい人たちだって思うことになったのだ。

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