第48話

今日はタクシー見学だ。綺麗な花のあるところに一行は向かった。すると、昴さんはこんなとことは、きれいだな。カナにも見せてやりたい。今度連れて来てやるかというのだ。私は咲いてる花にこういった。いいな。君たちみたいに誰もがきれいとか言ってくれる君に生まれたいなと。昴さんはそれを聞いて切なそうになった。すると昴さんはなあ、そんなに自分の事が嫌なのかと聞いてきた。私はその問いかけにこういった。私が生まれて来たからお母さんとお父さんは喧嘩になることもなかった。というと、昴さんは俺も思った時期があったな。でもな俺。今思うんだ。俺さ連れ子なわけで、でもその人、俺と一緒に遊んでくれてお父さんみたいな人なんだ。だけどその人元女の人でさ。性同一性障害って分かる。心は男なのに身体は女なんだけど、父さんは手術したらしくてね。見た目も男なわけ。お母さんは俺の実の父親にDVを受けていたけどね。そのDVから救ったのもまぎれもなく父さんだよ。そんなことで俺、お母さんとお父さんが女なわけで、でもさ。スゲーカナは気に入ってくれていてさ。特にお父さんってヤスさんって言う人でね。俺が問題起こしたとしても、ヤスさん俺に訳も聞かないで俺の代わりに謝ったりしてくれて、でも俺を怒ったことも一度もない人なんだ。だけどさ。ヤスさんはこれだけは守れって言うんだよね。人を傷つけるな。人を大切にしろって。そう、こんな父さんは俺が問題起こしたとしても人さえ大丈夫だったらなんも言わねえ人だった。俺はそんな父さんと母さんの子でよかったと思ったんだ。いろいろあったとしても。美空、お前の父親と妹が味方だったんだろう。それはな。美空が生まれてよかったからなんだよ。障がいって不便だけど不幸じゃないぞって幸さんが教えてくれたからな。という昴さん。その言葉に思った。私は障害を持って生まれて来たことが恥ずかしいそう思っていたのかもしれない。だけど、幸さんをみて思った。それは違うと。

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