第20話

朝起きると、おっさんが隣にいた。えっと思ったが何もしてないみたいで。服もちゃんと着てるし、乱れてもない。おっさんというとおはようさんと帰ってきた。美空。何もしねえよ。ただ悪夢見ねえように抱きしめてたら俺まで寝てしまってたみてーだ。すまんというおっさん。私はおっさんにお礼を言った。眠れたみてーでよかったと言うとこれから抱きしめて寝てやるかというと、私もよろしくねというのだ。そんな私におっさんはびっくりしていたがいいぜと言われた。そして今日は買ってきたパンを食べていた。おっさんは美空と呼ぶと、これから俺の話をするが、俺にとって幸さんたちはお父さんたちっていってたろ。俺の父は世界中を飛び回り戦争のある所に行く医者だった。母は身体が弱くて俺を生んだ後、入退院を繰り返していたが、容体が急変して亡くなった。俺はその後、おばあちゃんと暮らしてたが、おばあちゃんもなくなった。それで親父も帰ろうとした矢先、地雷を踏んでな。命を落としたんだ。俺の親父の死に正直びっくりしたけどそれが親父らしいと思ったよ。だけど俺たちには頼りの親戚もなくて兄弟だけでは暮らしていくには小さすぎて無理があった。そんな時だった。実は弘さんは高校の時からの父の知り合いでさ。俺たち兄弟がいくところがないってことだったら、うちにおいでって言ってくれてな。姉もそれに甘えてということで、引き取られたんだ。障がいを持ってる幸さんに会った時、最初、幸さんをかわいそうだって思ってしまった。でもそれは同情でしかないことに気が付いた。それはあの人の性格だった。弘さんが言うには抜けてるんだって、でも抜けてないと幸じゃねえからね。というんだけど、それを聞いてる幸さんが反論するんだ。もう抜けてるとかいうとキツネみてーだ、あのコンさんを思い出すからって。コンさんって誰って思ったけど、俺はそれがおかしくて、あの人は本当に友達みたいだった。それと弘さんはね。幼馴染なんだってさ。幼稚園の時幸さん、車いすで弘さんを守ったらしくてそれ以後の付き合ってたんだってさ。俺もヒーローだと思ったな。どう守ったかってのは幸さんが授業で話をしてくれると思う。お父さんたちは美空にもちゃんとアドバイスくれるからなというと、だからか。お父さんたちっていってたのは。びっくりしたと思った。俺と姉貴は養子にもなってねえのはあの弘さんの苗字が福井っていうんだけどね。その福井って有名なんだよというのだ。もしかしてと思った私は福井ってあの福井グループの福井かと言ったらそうだといった。ええー私は空がひっくりかえるほどびっくりしたのだった。ふふふお前でもびっくりするよな。俺たちもそれは望まねえからさ。家で面倒見てくれた。あの人、メインクーンと種類の猫にじゃがってつけてかわいがってたな。ハハハ。エピソードが半端ねえというと、私はクスっとわらった。おっさんはお前の笑顔いいなというのだ。ああ笑ってるほうがいい。と言われた。

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