第12話

和田さんと言われてはいと返事をしたおっさんだったが、あの姉とはどういう関係ですかと聞かれて、公園で出会っておっさんに草を食べてるところを見られたことを知られてしまった。お姉ちゃんが草を食べていたなんて。そんなとバイト仲間に知られてしまったのだ。ゴメン。恥ずかしい事してというと、美咲はこういった。ねえ。うちのねえちゃんは食料もない状態だからそうしてたんだよ。それを恥ずかしい事だと思うというと、バイト仲間は別にというとこういった。俺たちもおなかすいていたらするかもしれないねというと、おっさんはこういった。それでうちで美空を預かってもいいかどうか君に聞こうかと聞きに来たんだが、多分美空は反対するっていうからさ。僕はこれでも美空さんの身体の事は理解してるから少しでも楽になるように考えていろいろやってるんだけどね。長年でやはり無理がかかってるんだ。手の震えも緊張も出てるみたいで、それがかなりしんどいと思う。それに食事も長年草を食べてるから栄養状態があまりよくない。だから、僕が彼女を預かってもいいかなというおっさん。私も美咲。ねえ。考えたの。私も美咲と家を出たら一緒に住むこと。でも私を母が出ることと一緒に住むことは許さないと思うの。だから暮らすのは無理だと思う。だけどおっさんと一緒に暮らすことで私、少しずつだけど笑えるようになってる。美咲。今までありがとう。たくさん守ってくれて。あの保険金取られてしまった時、本当に悔しかったね。でも、お父さんは美咲に守ってほしいといってくれていたから今まで守ってくれたんだよね。でももうお姉ちゃんはこのおっさんと出会ったから、美咲も自分の事を考えてほしい。美咲に幸せになってほしいのというと、美咲はお姉ちゃん。お父さんみたいな人に出会えたね。よかった。笑ってくれて。お姉ちゃん。ありがとうね。私も自分の事を考えるね。というと、また近況報告するねというと、妹と電話の交換をした。ありがとう。お父さん。妹を見守ってあげてね。もう大丈夫だよと私は空に向かって言うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る