第30話

SIDEカタ

ノンちゃんに頼まれて家に行くと「家内は留守なんですが」と出てきた人は優しそうな男性だった。俺は「僕は鈴原望さんの弁護をしている吉井難と言います。今日は奥さんに望さんが受けた虐待の件について話させてもらおうと思いまして。」というとその人は「先日、やっと望から離せたと思い喜んでいたんです。」といい中に通されて話を聞こうと思った。その人は「望は私の弟の夫婦の子なんです。弟は私とは違ってすごく頭もよくその上自慢の弟だったんです。奥さんもすごく優しい方で順風満帆な家庭を気づいてました。奥さんはノンを生むときに子供を作れない体になっていました。でも奥さんはこの子は希望の子だといい弟も「そうだね。この子の名前を望にして物心がついたら望の名前について話してやろうね」といい、楽しみにしていました。それが望の4歳の時に娘のケーキを買いに行ったら通り魔にやられて殺されてしまったんです。一瞬にして家族を奪われた望を私は引き取ってやろうと思いましたが、うちの家内は望をうちに入れることを反対したため、奥さんの妹の美奈子さんが引き取って育てようと言ってくれていたんですが、ある日、美奈子さんに弟たちの通帳を渡そうと思ったとたん、家内がみてしまったんです。それがあの子を引き取ろうとした始まりでした。美奈子さんは「あの子を大切にしてあげてね」といい、うちが引き取ることを了承してくれました。僕は仕事で単身赴任が多くて家を空けなければならなくて妻に任せてしまった。そんなある日の事です。私が急に帰ると妻は手をあげていました。望が眠ったため家内に大切にしてくれといい声をあげてしまいました。

望がその声に起きてきてしまって「おじさん。抱っこ」といい、部屋に連れて上がった時です。私は見てしまったと同時に小さな望を守ってやれない自分に腹が立ちました。何度美奈子さんに電話しようと思ったことでしょう。でもできませんでした。私の弱さが原因です。そんなことから私は会社に単身赴任はできないと申しで、中学校3年間はなるべく望と一緒にいました。望が家を出るといった時はほっとしたと同時に昔望をたいせつにしてくれたおばさんとおじさんの家の隣に住ませようと思ってその申し出を快く引き受けていただいたので安心してますが、家内のことです。なにか望に行ってるに違いありません。この家を出たとき、何か感じましたが、望は私に心配をかけたくないと思ってなにもいってくれない」というので、「それはそうだと思います。ここからの話はあなたには言わないでほしいと言われていまして。」というとお金の話と、もし払わなければどうなるのかを話すと「20万だと。あいつ何言ってるんだ。どれだけ」とかなり怒っていたので、「落ち着いてください。あの子には俺の息子がついてます。うちの息子はしぶといですからね。望さんに離れてといわれても離れないですよ」という俺。

そんな時心の声が聞こえてきた。「望、この人たちはきっと守ってくれる。だから何かあれば頼りなさい。それに私はもう長くない。もって半年だから」との心の声が聞こえ、俺はもしやと思い聞いた。「あなた、ひょっとして何か病気を患ってますか」とその時彼は何かを思い出したみたいで、「あなたには聞こえるんですね。心の声が。」というので「しってるんですか。俺の事を」というとそうこの人は若かりしごろ麗奈がお世話になってくれた人だったのだ。

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