第4話

それから働かされる日々が続いた。

でも学校だけは行かせてくれた。あることを約束させられた。

この家から逃げようと思わない事、それと体育は見学させられたのだった。

そんなある日の事、身体の小さな少年が屋上の端に追い詰められていたのだった。危ないと思った私は、「弱いものいじめだね。あんたたち。最悪。一対一だったらわかるけど、こんな大勢が。」というと、彼らは「くそ。覚えてろ」といい、出て行った。

私はその少年に「別に助けたくて助けたんじゃないけど、あんなに大勢はダメだと思って」というと彼は女の私に助けられたことが悔しかったのか、その場から去っていった。

ある日、あの少年が私を待ち伏せしていた。

そしてこういった。「この前は助かった。俺、お前と友達になりたい」といった。「うん。いいよ。よろしくね」といった私に彼は「俺、大輝(ダイキ)だ。よろしくな」というと、「私は望だよ」と言った。

「じゃあノンって呼んでいいか。」と聞かれたので、こくりと頷いた。「ノンは俺のヒーローだな」というので、「私、ダイ君って呼んでいい」というと「ああーノン。いいぞ」と言ったのだった。

「俺、あんとき、転校初日で目つけられていたんだよ。俺の親、警察官で異動でこの街に来たんだ。俺、お前みたいな勇気があって、堂々としたやつ初めてでよ。どうしたらいいかわからなかった。ゴメン」という彼。

明るくて熱くて優しいダイ君これからもよろしくと心の中でいったのだった。

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