第306話
「……橘。」
父さんもこれについては流石に堪えているみたいだった。
一番大事な部下を亡くしたのだから、それは堪えるだろう。
泣いてはいなかったが、辛そうに唇を噛みしめている様子がここからでもわかる。
「阿呆…、が。」
そう呟いて、橘君の傍にしゃがみ込む。
私の隣に来た父さんは、ただずっと橘君を見つめていた。
そして、彼が胸を抑えていたので、それの上に自分の手を重ねる。
「よう、頑張った。お前はよう、頑張ったよ。ありがとう、橘。」
お別れみたいな言い方で、私はもっと涙を流してしまう。
それを見た父さんは、私の頭を撫でてくれる。
「泣くな。みっともない。」
優しく撫でてくれるその手は、少しだけ橘君を思い出す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます