第70話

どうして彼女はその道しか、知らないんだろう?



他にも道はたくさんある。



一人一人に与えられた道というのは、無限とあるのに、何故彼女はそんな悲しいことを言うのだろう?



その道を選ぶ権利は、その人自身にあるのに。




どうして彼女は、そんな馬鹿なことを言うのだろう?






教えてあげたいと思った。



彼女に、その道以外にも歩む道はたくさんあるということを。



諦めなければ、無限に道は用意されているということを。




この世界に、決められている人生なんて存在しないのだから。



だから、僕は君を守ってあげたいと思う。



ううん、そんな大それたことをするつもりは大層ない。



ただ僕は君の泣き顔を見たくないだけ。



君の笑顔を見たいだけだ。

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