第35話

「……僕、女装趣味はないです。」



「え~、でも可愛いもの好きじゃん。」



「それとこれとは、話は別ですよ。」



「そう?」



と話は聞いてくれているようだけど、一向にこれと取り換えてくれるものはないらしい。



というか、わくわくした子供の目みたいな瞳で僕を見てくるので、よっぽどこれを僕に着てほしいみたいだ。



……気が進まない。



というか、一度も着たことのなかったものを着て、知らない人の前で晒さないといけないのか。



……複雑すぎる。





「これ、着ないとダメですよね。」



「うん。」



「……絶対ですか?」



「せっかく、親父が初孫のプレゼントじゃーって言って、用意してくれたんだ。……着てやってくれや。」

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