第3話

「ああ、そういえば名前を言っていなかったね。俺は佐伯 皇紀。この街を統べる男、だよ。」



佐伯 皇紀。



と言われても、別に名前を知っているわけでもないし、街を統べると聞いてもはっきりと意味は分からない。



「そう、ですか。」



としか言えない僕に、彼はクスリと笑う。



それに気味の悪さを感じながらも、僕は尋ねる。




「あの、何か?」



「去年、空手の大会で優勝していた男の子だよね。」



「…まあ、そうですね。」



キョトンとした目で、僕は彼を見ていると小声で何かを呟いた。





「なるほど、さすが松下の息子だな。」



何を呟いたのかは気になったけど、それでもあと10分で練習が始まる予定だったので足は急いでいた。

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