第140話

そしてそれに気遣ったのか、少しの間私を見つめて……




「悪い。もう切るな。」



そう言って通話を切るカラスさんに、私は“あ!”と声をあげる。



それに顔を向けてくれる彼の表情は、とても穏やかだ。



さっきは少しだけ堅そうな顔をしていたけど、今はとっても優しい顔。



それに何だか調子が狂わされそうだったけど、とりあえずその気づいたことに口を開く。



「別に切らなくてもよかったのに…」



そう遠慮がちに言うと、カラスさんはフッと笑う。



そしてその優しい顔のまま、私に言ってくれる。



「いいんだよ。俺が切りたかったんだ。気にするな。」



そう言ってくれる彼に、少しだけくすぐったくなった。

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