第99話
周りの男の人たちは私に声が届かなかったみたいだけど、柳生君には届いたらしい。
その声に振り向いて、私を見てくれたから。
遠い。
彼との距離がこんなにも遠く見えるけど、彼と心がつながったように思えた。
私を見てくれている彼に、私は心が温かくなった。
私を見つけてくれた彼に、私は嬉しくなった。
「真野!」
彼が私の名前を呼んでくれているだけで、胸が温かくなる。
男の人たちをうまくかわしながら、私は一歩、また一歩彼に近づいていく。
柳生君も同じように私に近づいてくれている。
それを感じながら、私はもう少しだというところで、躓きそうになる。
それを感じた柳生君は…――
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