第93話
「……どうしたらいいか、分からなかった。」
そう言われて、私は顔を上げた。
臣が、初めて切なそうな声じゃない声を出したから。
でも、顔はとっても苦しそう。
「どうしたらいいか、分からなかったんだ。」
下を向く彼に、何が言いたいのか分からないので、聞く。
「何、が?」
恐る恐る聞いてみたけど、彼は口を開かない。
何かを躊躇しているような気がしたけど、それでもやっぱり口を開く。
「お前を初めて見た時、俺は同類だと思った。……お前もこの世なんてどうでもいいという顔をしていたから。」
そう、臣と初めて会ったあの頃は多分そう思っていたと思う。
生きる気力さえ、残っていなかったから。
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