第91話

それに……



「じゃあ、何で追いかけてこなかったの?」



「…っ!?」



どうして、彼は私の居場所を知っていながらも……追いかけてこなかったの?




「瑠依をこっちに行かせてまでしたのに、どうして私のことを無理矢理連れ帰ってこなかったの!!」



本当に愛していたのなら、どうしてそこまでしたなかったのか理解できなかった。



彼が瑠依をこちらに寄こしてきたのは、だいたい予想していた。



瑠依はそんな面倒までかけて、こっちに来るような人じゃないし……誰かが裏で糸を引いていない限り、そうしない。



だから、知ってた。



それでも、私は目を逸らしていたんだ。



臣が怖くて、瑠依がそんなことするような人じゃないって……思ってた。

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