第90話
もしかしたら、予想していたのかもしれない。
私に、こう言われることを。
それでも、執着したかったのかな?
「違うよ。こんなの…本当の愛なんかじゃない。」
臣は黙ってまま、私のその言葉を聞く。
動くことは、ない。
ただジッと私を見つめて、切なそうな目で見つめてくる。
何も言わない数分間の間、ただ私たちは見つめ合っていた。
そして口を開いて…、臣はこう言った。
「愛して、る。本当に…―――」
違う、のに。
あなたの愛は、私に執着して……手放したくないだけなのに。
どうしてそれに執着する必要があるの?
私たちはそんな関係じゃなくても、もっと単純な関係でいられるじゃないか。
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