第89話
「やめ、て。」
「愛して…る。」
それでもやめない彼に、私は抱きしめられていたので彼胸を押し返す。
違う!!
そう、想いを込めながら。
「臣、目を覚まして!」
「……愛して、るんだ。」
違うのに。
たとえそうだとしても、どうしてそんな切ない目で私を見つめるの?
違う、よ。
あなたは私のことをこれっぽっちも想ってくれてなんてないんだ。
違う。
これはただの……執着心からくる壊れた愛だよ。
「臣!あなたは私を愛してなんて、ない!」
そうはっきりと言うと、それに驚きを見せる臣。
いや、でもその顔はすぐにまた切なそうになり、いつもの目に変わる。
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