第87話
私の目の前まで来た彼は、しゃがみ込んで私を抱きしめる。
その手は少しだけ、鉄の匂いがする。
これをまさに、血の匂いといえば簡単なのかもしれないけど。
「真野。」
そして彼の声は、少し歪んでいる。
「真野。」
切なくて、苦しくて聞くのもつらい。
「真野。」
アア、ヨバナイデ。
「真野。」
ワタシノナマエヲヨバナイデ。
「愛してる」
彼の愛は、歪んでいる。
違うよ、あなたは私のことなんて愛していないんだ。
これっぽっちも愛してなんて、ない。
「愛してる。」
軽々しく、人を愛するものじゃない。
君は、私のことを愛してなんてないんだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます