第85話

そんな部屋に、何もないところにいるのは心細い。



というよりも、恐怖心しか表れない。



思わず、自分の腕を抱く。



そうしてドアに背を向けていると、キイイと音を立てたドア。



それは自分の恐怖心を駆り立てるには、あまりにも簡単だった。



震えていた足は余計にもっと震えだし、ガタガタと歯が音を出す。



ゆっくりと、ゆっくりとそちらに振り返る。



それが誰であるか分かっているように、私は震える手を抑えながら振り返る。











「やっと……見つけた。俺の真野。」




その目はどこか泣きそうで、苦しそうだった。




そして、変わっていない切ない目。



ああ、彼もあの時から時が止まったままなのだと、この時感じた。

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