第83話
海は分かっていながらも、俺に協力してくれた。
携帯を臣に取り上げられていたのだけど、それをわざわざ臣の目を盗んで俺に渡してくれた。
彼も……同じように彼女を想っているから。
「これ以上……、もう苦しむ真野を見たくないんだ。」
その苦しそうな表情に思わず、悲痛の声を出しそうなのを我慢して俺は平常心を保つ。
そうだ。
真野にはもうこれ以上、苦しんでほしくない。
彼女の過去を、汚したくないんだ。
「ああ。」
綺麗なままで、いてほしい。
あの笑顔を、誰にも汚したりなんてさせない。
俺の目はいつもより鋭くなり、一つの想いを決意した。
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