第82話

真次SIDE



携帯を閉じる。



よかった。



疾風さんに連絡が入れれて、本当よかった。



真野に何かあったらいけないと思って、俺は事前に疾風さんに電話番号を調べておいた。



そうして、本当によかったと思う。




「ケホッ!…ケホッ!」



ああ、臣に殴られた腹が痛い。



うつ伏せになっていた状態から、俺は仰向けになる。



シーンとした室内の中、ここにいたのは俺と……






「海、お前……よかったのか?」



瑠依の弟である、伊藤 海。



複雑そうに部屋の隅にいる彼は、少しだけ震えている。



「こうしないと、真野が死んじゃう…から。」



その切なそうな声は、今でも消えてしまいそうだ。

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