第38話

「ひ、酷いっす。安藤君、俺の靴を片方捨てました。」



「す、捨ててはねえよ。てめぇがしっかり履いてねえからいけねえんだろうが。」




泰虎はシクシクと失くした片方の靴を想いながら、泣いていた。



実は俺が引っ張り過ぎた所為か、片方の靴を途中で見捨てるほかなかったらしい。



し、仕方ねえよな。



俺だって、こっちの事情があんだから。




と言い訳を考えつつも、俺は通学路を歩きながら泰虎に聞いてみる。




「おい、何でてめえ、俺の名字知ってんだよ?」



「…は?」



そう言われて、俺もは?という顔をする。



泰虎は知らない方がおかしいんじゃないのかっていう顔をしていて、俺は何で知ってんだという正反対の顔をしていた。



…何で?



どうして、ここまで正反対のことしてんだ?

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