第30話

「…っ、放せよ!!」



そう言い、何がなんでもマセガキに放してもらおうとして、パシンっと音をたてて彼の手を振り払う。



疾風は別に一段と驚いた顔もせず、今は真野が見ていないからか、顔も無表情のまま。



…かなり、この場の雰囲気は悪いだろう。





現に、泰虎という男の額からは大量の汗が出ていて、いつ喧嘩が始まるか分からないこの場を見て、焦っている。



俺はそれに目を背けるようにして、下を向く。






そんな俺に対して、また疾風は口を開こうとしたが、彼女の方が一瞬早かった。





「マァだけ仲間ハズレは、や!!マァも仲間に入れて!!」



どうやら目隠しされたことや、耳を塞がれたことに対して真野は仲間ハズレにされたと勘違いしたらしい。



…いいご身分なことで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る