第29話

そして素早い動きで、耶麻というガキと叶というガキは真野の目と耳を塞ぐ。



泣きそうになっていた真野の目は隠されて、俺は一息つく。




しかしその一息は一瞬で終わり、俺の胸倉をマセガキが掴む。



…しかもかなり強く。





「…っ!?」



声こそは出さないが、俺の顔は大きく歪む。



それを見たマセガキは顔を近づかせて、極力真野に聞こえないように控えめの声で俺にこう言った。





「次、真野にそんなこと言ったら、地獄見せてやるぞ。」



その目は見た者、誰をも怖いと恐怖に駆られる…そんな目をしていた。



俺は、何でこんな、ガキを怖がってんだ?




が、額から汗がひくことはない。



胸倉を掴んでいるマセガキの手を掴もうとするが、拒否することができない。

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