第85話
『っ……うぅ……キーンって……ぅくっ!!』
「あー!!!返せー!!俺のシャリシャリくん!!」
「この二人一緒にいると騒がしい。麟太郎を取り合う時の女たちみたいだ。」
「壱、それを言っちゃダメだよ。」
「會田くん、顔だけはええからよう女の子が学校に来とるよなぁ?」
「そうなんだよ……でも麟太郎面食いだからさー。大変なんだよね。」
桃里が私の胸ぐらを掴み、頭を抱えて苦しむ私を前後に揺する。
気分が悪くなってきて桃里が私を揺するのに合わせて頭突きすると、次は桃里が頭を抱えてのたうち回る。
『ふぅ……あーきつかった。』
「っ!!ぐぁぁっ!!いってぇぇ!!」
「……こら。」
『っ!!何故!?』
「桃里を苛めるな。俺に被害が来てる。」
麟太郎に頭をチョップされて、衝撃に目が回った。
何故麟太郎に被害が?と思って麟太郎を見ると、前を歩くユウジたちを指差した。
桃里は麟太郎の腰にコアラのように引っ付いていた。
「組にも、麟太郎にお見合いが来るんだよね。」
「え!高校生でもうお見合い!?」
「イケメンは大変やな。」
「錦、お前もな。イケメンめ。知ってんだぞ?錦は3日前に他校の女子から告られただろ!」
「大ちゃんもかっこええよ。先月もS大の美人さんに告白されてたやん。あと隣の学校の年上にも告白されとったなぁ。諭吉は隣町の制服の子に告白されてたよな。」
「「っ!!なんで知ってんだよ!!あ……そっか。」」
「壱も先週隣町の学校の子に告白されてたよね。」
「ユウジもあの美人OLどうしたんだ?」
「え、なんで知ってるの?」
なんだあの前方のキラキラした会話は!
告白って、そんなホイホイ起こるイベントなのか!?
私がされたのなんか小学校の低学年の頃と、向こうに行ってすぐに一回だけだぞ。
あ、後はなんかストーカーはいたな。
遠目に見てる分にはいいけど、近付きたくはないって何故かフラれたみたいな空気になったやつ。
「お前は顔が良いから第一印象は最高だが、中身がゴリラだから引く。付き合いたくはない。観賞のみ。」と友人たちに言われたことを思い出す。
まあ、私はモテないという話だ。
『ぱねー。イケメンぱねぇー。桃里、お前は僕の仲間だろ!?』
「こいつ、腕折れた病院でナースにモテモテ。」
『あ”ぁん!?てめぇはこっちに来いやぁ!!』
「八雲、お前モテねぇの?……ああ、性格かー。」
『おいこらチビ。麟太郎の後ろに隠れてねぇで面貸せよ。』
「……俺は結構紺の性格気に入ってる。親父がお前を連れてこいってうるさい。」
『お、おお?』
喜んでいいのか?
てか麟太郎、初期とキャラ違いすぎない?
本当はこんな喋る奴だったんだ。
くさいセリフ吐かれたし。悪い気はしないけど。
『あ、お前の親父には二度と会いたくないから言っておいて。』
「……お前、極道怖くねぇの?」
『何されるか分かんねぇ奴は怖いよ。でも、僕にはこの世で一番恐い人がはっきりとしてるからその人以上はいない。』
「えっ!!めちゃ強のお前が怖いって誰?どんな奴?」
『……秘密。』
言いたくないよ。
だって詳しく言えないもん。
私がこの世で一番恐いのは勿論、父一人。
勝てない。強すぎ。あれは人知を越えてる。
全速力で追いかけられた時のことを思い出し、ブルッと身震いした。
そんな私を見て、麟太郎も桃里もますます気になると目を輝かせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます