第73話
そして時は進み、パッと見10か15階以上の高層ビルの目の前に制服を着た私たち三人がいた。
「會田くんのおうちでっかいなぁ」
『お、おうち……』
「うちとは違うなー。近代的って感じ。」
うちは純和風だから、祖父も祖母も和服が基本スタイルで他の組員も寝巻きは浴衣を着ていた。
私も浴衣を用意されたが、祖母から甚平を渡されそれを気に入って着ている。
「行こっか。」
「『おー!』」
どこから入るんだ?とガラス張りの窓に近寄ってノックしてみると、普通に!スタンダードに!錦がインターホンを押していた。
インターホンの相手となにやら話しているみたいだ。
「このガラス、紺が殴っても割れないかな?」
『え、それフラグ?僕フラグ回収の紺ちゃんと呼ばれてるんだよ?』
「や、やめろー!こんなの弁償できるわけねぇから!」
『いくらだろう。億かな?』
「はいはーい、そこの阿呆お二人さん?はよ入ろう。」
「『……はーい。』」
保護者に怒られた私たちは先に入っていった保護者の後をそそくさと追いかけた。
私たちがノックしていた窓に複数人の男が立っていて、自分たちが見られていたことに途端に照れくさくなる。
「何処に赤くなるところあった?」
「『あ、ユウジ!やっほー!』」
「……なんか、すまんなユウジくん。」
「大丈夫。もう一人の阿呆はいないんだね。」
中に入ってすぐ、私服のユウジが立っていた。
私たちを見て、一人足らないことに眉を潜めた。
「何しに来たの?」
「ユウジと桃里が心配で来た!」
「ありがとう。でも、はぁ……取り敢えず移動しよう。」
ユウジは周りで私たちの会話を眉を潜めて聞き耳を立てている男たちを見て、溜め息を吐いた。
エレベーターに乗り、3のボタンが押されて扉が閉まった。
「今、ゴタゴタしてるんだ。」
「壱沙くんが會田くんをナイフで斬りかかったからやろ。」
「うん。その壱は見張りを撒いて何処かにいなくなっちゃって騒ぎになってる。組長が怒ってて……部外者を入れたって後でドヤされる。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます