第64話

「俺が口出すのは違うとは分かってる。でもどうか、紺ちゃんにお願いがあります。アイツらのケツ叩いてやってくれない?」



『あ、頭上げてよ。てかなんで光くんがお願いするの?』



ゆっくりと頭を上げた光くんは何かを懐かしむように優しく笑った。



「百合学に通わしてもらってた。俺は我蛇髑髏の元リーダーだった。」



『えっ!?』



「髑髏の総長は卒業したら次の奴に渡すのが習わしで、卒業後は髑髏のことに口出しNG。でも、やっぱ今日みたいなの聞いたらやっぱり心配しちゃうんだよね。特に、麟太郎、壱、桃里は俺が髑髏に入れたから。」



『僕には何もできない。』



「紺ちゃんの武勇伝は耳に入ってるよー。」



『ぶ、武勇伝!?……双子め。』



楽しそうに昨日今日あったことをつらつらと述べられ、心の中で大吉と諭吉を殴った。



『ちょっと短気なのがたまに傷なだけですぅ。』



「全員が全員思ったことはっきり言えるわけじゃない。」



『ユウジは髑髏は解散するしかない、て言ってよ。光くんはそれが嫌ってこと?』



「いやー解散なら解散でいいんじゃない?でも、わだかまりのある解散は楽しくないだろ。ただバイクが好きで、趣味が合う連中と集まってただけだったところが喧嘩別れって悲しい。」



『それが結末なんだから仕方ないさ。』



「これはただ、俺がムカついたから紺ちゃんが俺の変わりに尻叩いてきてってお願い。」



そう言って、光くんはにっこりといたずらっ子のようにニシシッと笑った。



『僕にメリットないしー。』



「叩けばすっきりするだろ?特に麟太郎とか。」



『……。』



想像してみた。

うん、アイツとは決着付かなかったから尻を蹴るのはいいかもしれん。



『光くんはなんで麟太郎が選ばれたか知ってる?』



「うん、一応言われた。アイツらの前の総長とは仲良かったからね。麟太郎かユウジで迷って、強い方を選んだらしい。二人とも仲間思いで頭の回転も早い。ただ、ユウジは優しすぎるところがあったからなー。」



『さっきユウジと麟太郎は仲間思いって言ってたけど、僕が見た麟太郎は、仲間を平気で傷付ける奴だったよ?ユウジは仲間思いって感じだったけど、麟太郎に逆らえないって感じだった。』



私の言葉に光くんは難しい顔をして顎に手を当てた。



「麟太郎は出会った時はそんな感じじゃなかったんだけどなー。ユウジは親が會田組の組長の側近なんだ。だから麟太郎とは主従関係がある。前はそんなの関係ないって言ってたけど、色々あるもんだから。」



『ふーん。』

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