第63話
家に帰ってご飯を食べ、諭吉の帰りを待っている間に私は寝てしまっていた。
夜中に目を覚ましたら、私の看病をしていた大吉の横に諭吉が寝ていた。
心がポカポカと熱くなり、押し入れから敷き布団を出してそこに二人を転がして部屋を出た。
キッチンから水のペットボトルを持って庭園がよく見える縁側に腰を下ろした。
じっとりとした暑さに蝉の鳴き声。
『あー夏だぁ……。』
「紺ちゃぁん!おっさんみたいに水飲まないでよー。まあそんなところも可愛いんだけど。」
「若、眠れないのですか?」
『みくじさん、光くん。お勤めご苦労様です。』
帰って来たばかりなのか、スーツを着た二人は私の横に座って私の顔を見る。
みくじさんは私の頭を撫でてから額に手を当てた。
「若、まだ熱いですね。うちの馬鹿は若を一人にして何しているんです?」
『寝てるっすね。』
「……剃りますか。」
『何を!?』
「毛だよー。毛ぇ!」
「チャラチャラと色を弄ってる上にこの低たらく……体に教えてやるのが手っ取り早い。」
そう言って立ち上がったみくじさんは暗い廊下へと消えていった。
「あははっ!あの二人、スキンヘッドと坊主は絶対嫌だって昔から反抗しててね。高校入って髪の毛自分達で染めて、もーすっごい親子喧嘩!」
『みくじさんのスキンヘッドは素敵だよねー。あの三白眼もかっけーもん。』
「えー!!紺ちゃんまさかのみくじさん推し?ちょっとちょっとー!ジャンルが違うよー。」
『僕の推しは父オンリー。世界一かっこいい!!』
「黒斗さん、かっけーよなぁ……。」
光くんは父のこと知っているんだ。
父も母の実家には行ったことあるって言ってたもんな。
「紺ちゃん、今日色々大変だったらしいね。街で噂聞いたよ。我蛇髑髏が解散とか、総長が殺られたとか……。何があったかだけ、聞いてもいい?」
私は今日あったことを簡単に話した。
何故光くんが我蛇髑髏のことを知りたいのかは分からないが、情報収集は大事ということか。
話を聞き終えた光くんは胡座をかいていた足を正座に直し、私に頭を下げた。
私は驚いて光くんの旋毛を凝視した。
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