第62話
「ッッッ!!ァ……ガッ、ア”ア”ァァァァァッッッ!!」
断末魔のような叫びを上げ、腕を押さえて蹲った壱を見下ろして足を地面に下ろした。
壱が地面に倒れ、天を仰ぎながら荒い呼吸をさせながら私を睨む。
「っくそ野郎!!」
『あ”?』
麟太郎が私の胸ぐらを掴むと、さっきまでの殺気を更に鋭くして叫ぶ。
「邪魔するな!!偽善者のつもりか!!!」
『フッ……』
ワケが分からないというように、まるでバケモノでも見るかのように私を見る麟太郎に我慢できずに嗤った。
『偽善者?僕が?頭に血ぃ上りすぎて血管切れたか?兄弟喧嘩なら帰ってやってろ。邪魔するな?お前馬鹿なの?他人を巻き込むな。手ぇ邪魔、離せよカス太郎。』
抑揚もなく早口に言葉が口から勝手に出てくる。
麟太郎の鳩尾に拳を捩じ込み、息を詰めた麟太郎の背後に回り首に腕を回して力を入れる。
「っんぐ……」
『お前が仲間を大事にできない理由……分かるか?お前がお前自身を大事にしてないからだ。』
麟太郎の首に回した腕を絞め、気絶させた。
190近い麟太郎の体を地面に横たえ、スマホで救急車を呼んだ。
やはり昨日のこともあるし、この不良校では救急車は日常茶飯事なのか高校名と場所を言っただけで通じてしまった。
「麟くん!!麟くん!!」
「桃里、気絶してるだけだ。紺くんごめん。俺たちじゃ、こいつは止められなかった……。」
「紺って、何者?こいつ、紺には負けるけど馬鹿力で学校一の怪力男だよ?」
気絶した麟太郎に桃里とユウジが駆け寄る。
私の傍まで歩いてきた銀聖は麟太郎を見下ろしてそう言った。
『僕は普通の平々凡々な男の子さ!桃里、多分あばら折れてるから揺するなよ。そっちは骨砕いちゃったし……』
また力加減間違えたな。もっと優しくか。
向こうはもっと体格でかくてゴツい奴が多かったからな。
私が吹っ飛ばした錦は壱の傍に落ちていたナイフを遠くに蹴飛ばし、壱の折れた腕の応急処置をしていた。
「今なら……」
「でも……」
「もう終わりだ。こうなったら髑髏は解散するしかない。」
「ユウジさん!?!?」
「いつの間に……ただ仲間とバイクが好きで、集まって馬鹿騒ぎしてただけだった楽しい場所がこんな。こんなっ仲間を大事にできないところにしてしまった。気付いててどうしようともしなかったから……」
ユウジの諦めたような焦燥の声に髑髏のメンバーは全員俯いて地面に力が抜けて座った。
程無くして来た救急隊員に麟太郎と壱は運ばれていった。
錦は泣き崩れる桃里に寄り添ってあげて、私は大吉と共に迎えに来てくれた獅子さんの車に乗って病院に連行された。
諭吉はユウジと髑髏メンバーの手当てを手伝うと言って学校に残った。
いつの間にか銀聖とたーちゃんはその場からいなくなっていた。
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