第58話

「「「紺(ちゃん)!!なにもされてない!?」」」



「いいなぁ~ナニしてたの?愉しかった?」



『お礼とおしゃべりしただけだよ。』



銀聖は無視だ。

たーちゃんがニヤニヤ私を見ていたから、跳び跳ねて目潰ししておいた。

見た目だけはいいのに脳みそが銀聖と同列なのがムカついてやってしまった。



「目がっ!目がぁぁっっ!!何故だ!?!?」



『お前が悪い。』



絶叫するたーちゃんが私に殴りかかったが、それをギリギリで避けて銀聖を盾にした。

銀聖はたーちゃんの拳を受け止めていた。



「桃里、ユウジと二人で會田放っておいていいのか?アイツ暴れてたりしない?」



「麟くんの側には壱がいるから大丈夫。それに麟くんがユウジと一緒にお前も行けって。」



諭吉と桃里が和やかに笑いあっている。

桃里くんよ、私との態度の差がでかくないですか?

たしか、キレると人格変わるみたいなこと言われてたな。

子犬のような可愛い笑みを浮かべている桃里をガン見した。



「な、なんだよ……」



『チーチッチッチよぉし!よしよし……いっ、』



「やめろムツ○ロウさんか!」



顔を真っ赤にして怒る桃里は折れていない方の手で私の手を払いのける。

まだ撫でようとして撫でれていないのに……。



「桃里、どちらかといえば紺は動物側だ。ドンキーなコングなんだ。」



「紺ちゃん、僕が保護したる。」



『銀聖みたいなこと言わないで、錦。』



「むーっ!心外や!」



「なんだと!?」



錦が拗ねると、銀聖が錦に飛び掛かって簡単に避けられていた。

本当は大吉と諭吉だけじゃなく、錦の実力も気になっている。

飄々としていて温和で妙な色気がある錦が喧嘩しているのは想像もつかない。

でも、入学式で生き残ったんだよな……。

他の生徒の反応を見る限り、強いんだろうが。



「もう行こうよ……麟太郎の機嫌が悪くなる前に。」



「うん。」



ユウジの号令で、ぞろぞろと私たちは屋上への階段を上がっていく。

屋上の開いた扉が見えてきて───人が飛んできた。

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