第45話
錦の家にはさっそく週末にいくことになった。
錦は3月から一人暮らしを始め、この4ヶ月大吉と諭吉が週末には遊びに行っていたらしい。
しかし、私が来てからの週末はずっと私の側にいたから行っていない。
錦は重度の寂しがり屋なのは本気らしい。
『お前、そんなんでよく一人暮らししようと思ったな。先週とかどうしてたんだよ。』
聞かないつもりだったけど、聞いてしまった。
呆れを通り越して興味が湧いた。
「実家好きやない。でも一人は寂しいから嫌いや。こっちなら大ちゃんと諭吉くんおるから寂しないとおもて。先週は二人が来ーへん言うたから……繁華街に遊びに行ったなぁ。桃里と会うてゲーセン行った!」
『あ、そ。』
「紺ちゃんとも会えた……僕こっち来て良かった。」
『そんなに寂しいなら、うち来なよ。』
「え、いいの?迷惑とか……」
さっき自分でも言ってたのに、何を遠慮してんだ。
極道だからか?大家族だからか?
錦のふわふわの柔らかい髪を撫でると、錦は気持ち良さそうに目を細めてふにゃっと笑う。
『繁華街で暇潰してるくらいならうち来いよ。お前ぼんやりしてるから変なキャッチ引っ掛かりそうだ。それに、友達が遊びに来て迷惑に思うわけないだろ。』
「っ!ありがとう!」
ニコニコとスキップしそうな勢いの錦の頭を大吉が撫でていた。
大吉とは別に、諭吉は私の耳に口を寄せると小さな声を上げる。
「大丈夫なのか!?家ではみんな紺のこと“若”呼びだぞ!?」
『協力してもらうから大丈夫。それとも、諭吉は錦を繁華街に放置しておくの?あんなウサギ、簡単に騙されて散々利用された挙げ句体バラバラにされて、臓器売り捌かれるのがオチだぞ!?』
「いや、錦はああ見えて強いし頭良いからな!?情報屋としても有名。人懐っこいから繁華街で知り合いいれば声かけられるだけだから!!何そのバイオレンスな妄想!!」
『妄想じゃねぇよ。実際に私のダチのダチはばらされた。』
「それこの国じゃないだろ。」
『まあな……。』
諭吉と話している間に学校につき、自分のロッカーに鞄をしまって掃除道具だけ持って体育館に向かった。
この学校で荷物を放置していたら盗られても文句は言えないらしい。
学校について症状は悪化して、意識は八割朦朧としていた。
「錦、あの後体育館どうなった?」
「會田くんは大人しゅうしてて、髑髏はユウジくんが屋上に集合かけてたで。揚羽蝶は仲間連れて部屋戻って行ったなぁ。銀聖くんも鴉集めとった。」
『それ、後であの話はなしでってバックレる作戦会議じゃない?』
「揚羽蝶は絶対に約束守ってくれるし、揚羽蝶が参加するとなれば女好きの鴉も絶対に参加する。揚羽蝶ってガード固いから、少しでも仲良くなろうと鴉は狙ってるからね。」
『我蛇髑髏は?』
「さっき言っただろ?桃里とユウジは絶対参加するから我蛇髑髏は参加する。會田が来るかは分かんねぇけどな。」
『まあ、来なかった時の備えあるからいいけどな。』
私の言葉に三人は同時に同じ方向に首を傾げて、キョトンとした顔をした。
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