第44話
実は麟太郎よりもユウジや桃里の方が人望があるらしい。
しかし、そんな二人は麟太郎信者だから逆らったりしないと。
「今回のことで、内部分裂せんとええね?」
『内部分裂ってどういうこと?』
「會田くんはユウジや桃里よりも喧嘩が強い。誰も逆らえんかったけど、紺ちゃんの存在で反會田を掲げる輩も出ててもおかしないってこと。そうなったら、紺ちゃん巻き込まれるで?」
『ややこしいことは嫌いです。』
もしかして私、面倒臭いところに足突っ込んじまった!?
重い重い溜め息を吐き出した私の肩に大吉と諭吉が手を置く。
「「紺のことは俺たちが守るよ!」」
『あ、ありがとう。』
「ちょー、なんで三人そんな仲ええの?僕と二人は幼馴染みやのに、僕今まで紺ちゃんのこと知らんかったで。それに、朝から一緒に登校ってどういうこと?大吉と諭吉は柳の人間やろ?紺もなんか?」
「こ、紺は今柳組に居候してるんだ!」
「ほんなら組の誰かの子供?」
「いや、頭の知り合いの子供。」
『うん。』
私が祖父とした契約の一つ。
学生の間は柳組の若頭だと公にしないこと。
私が思っていたよりも柳組というのは有名で、大きな権力を有しているらしい。
祖父母は私と契約を結ばなくとも、命を狙われる可能性があるから学生の間は柳の子供だと言うことを隠すつもりだったらしい。
錦に秘密にするのは大吉と諭吉は罪悪感があるらしいが、仕方がない。
これは自分が出した条件だ。
でも全く嘘はついていない。祖父の知り合い=父。
「紺ちゃん、怖くない?厳ついおじさんたちばっかやろ。」
『お、おう。』
「紺ちゃん怖なったら、いつでも僕のおうち逃げておいで。僕、一人暮らしやから迷惑とか考えんでええよ。」
『一人暮らしなんだ。』
「紺ちゃん一緒に住む?僕寂しがり屋で、一人だと死にそうなんや。」
じゃあ何故一人暮らし?とは聞かなかった。
家庭の事情だろうか。
実家は神戸だと言っていた。
でも、こっちでわざわざ一人暮らしをして百合学に通っているのには理由があるのだろう。
『今度遊びに行くよ。』
「うん!」
私の手を握り、ブンブンと前後に振って嬉しそうに笑う錦。
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