第37話

─────「全校生徒、体育館に集合。」












低く無愛想な男の声が校内に響き、ブツッと切れる音がした。

それを聞いて、生徒たちは気だるげに移動を始めた。



「紺、あれの時間だ。」



『不良でも統率されてんだな。』



「喧嘩が見れる一大イベントだからね。」



私はこれから、我蛇髑髏と鴉の喧嘩狂たち数十人を倒せばいいらしい。

その光景を全校生徒が観覧して、賭けやヤジを飛ばすイベントらしい。



体育館に行くと、舞台上に八人の男と三人の女が座っていた。

その他の生徒は二階に狭い通路や地べたに好き勝手に座って体育館の広く開いた場所を見ている。



その中心に立っているのは20人くらいの大男たち。



『あれと戦うの?』



「そう……髑髏と鴉の特攻隊の中で腕自慢の奴等らしい。舞台にいるのはトップと幹部たち。」



全員の視線が私たちに刺さる。

大吉と諭吉と錦は私と一緒に体育館の中心まで付き添ってくれる。



「お前が八雲紺か。」



「へー……結構可愛いじゃん。」



キラキラと光る金髪と、白っぽい銀髪の二人が私を品定めするように舞台の上から声を出す。

きっとあの二人がお山の大将だ。



『アンタら誰?』



「あ”!?てめぇ、麟太郎さんを知らねぇのか!?」



「銀さんに舐めた口きいてんじゃねぇぞ!!」



大人しく座っていたはずの不良たちが立ち上がり、唾を飛ばしながら私を睨む。



「こらこらー無知な転校生を驚かすな?俺は鴉のリーダー、伊嶋銀聖いじま ぎんせい。」



白っぽい銀髪の優男風な男はヘラヘラと笑いながら自己紹介してくれた。

金髪の方は黙ったままで、呆れた息を吐いた金髪の隣に座っているユウジが金髪を親指で指す。



「紺くんさっきぶりー。このぶっきらぼうは我蛇髑髏の総長、會田麟太郎あいだ りんたろう。」



「伊嶋も會田も組の倅。次期若頭。揚羽蝶の菊地も組の令嬢。」



俺の耳に諭吉が小さな声で補足をした。



「紺くん、さっき説明したやつ始めるよ。準備はいい?大吉くんと諭吉くん、それと錦くんは下がってねー。手ぇ出すなよ。」



さっきまでの穏やかな雰囲気は何処かへ行き、ユウジは三人を睨む。



『大吉、諭吉。』



「「紺……。」」



「紺ちゃんきばって。」



『ああ。』



錦の言葉に頷き、私はポケットに手を突っ込んでボタンを押した。

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