第31話
昨日までの艶やかな黒髪ロングの美しい髪はボーイッシュに短く切られ、ふわふわと風に揺れている。
ショートヘアも似合いが、少しだけ寂しい気がする。
でも紺の性格には合っている。
何故伸ばしていたのか?と聞くと「なんでだろう。分からない。なんとなくじゃない?」とまるで他人事だった。
日焼けを知らない白い肌、薄いピンク色の唇と小ぶりな鼻。
意志の籠ったグリーンの澄んだ瞳は今は黒。
華奢、というよりも痩せすぎのマッチ棒のような体。
小さな耳には痛々しいくらいピアスが付いている。
『ピアス、多いよな。』
「かっちょいーでしょ。ちなみにヘソと舌も開けてるー。」
「え!見せて!」
「いやーん、大吉くんがえっちなこと言うよぉ。」
『大吉くんはむっつりなんだよぉ。』
「ち、違う!!諭吉の嘘つき!諭吉のほうがスケベだ!」
『なんだと!?』
お互いの胸ぐらを掴み、そして思い出す父の言葉。
────「若の命を守ることがお前たちの勤めになる。今までのように場所を弁えず喧嘩をして自滅しあっていては、若を守れない。喪うことの苦痛を忘れるな。」
大吉と見つめあい、手を離した。
「えー!終わり!?」
……この人は何処までも自由だった。
俺たち双子だけじゃない、晃さんも光さんも父さんや他の組員たちがこの人に魅せられた。
最初はあんなに敵意を向けていた組員たち。
そりゃそうだ。
知らない女がいきなり現れて暴れ、頭に暴言。
でも今では紺を見かければ目で追いかけ、話しかけ、恋慕を抱く者もいる。
紺が若になるからじゃない。
「ま、今日は賭ける仲間がいないからいっか。 」
無表情で感情を探るのはほぼ不可能なのに、裏表がない素直すぎる言葉に会って数日でこの人は信用できると思った。
────さあ、百合学の荒くれ者を彼女はどうするだろうか。
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