第24話
「紺ちゃん、ここに来てくれてありがとう!今日からよろしくね。おやすみなさい。」
「おやすみ、紺。」
『……うっす。』
あー、むず痒い。
ここに来るのは自分で選択したこと。
でも、そもそも祖父に脅されなければここには来なかった。
優しくされる気もなければ、どうせ嫌な場所で私は絶対に好きになれないだろうと思っていた。
なんだ、思ったよりあったかいわ。
母が育った家。
ここに来てから聞く母の名前。
母が好かれていたことも伝わってくる。
二人と宴会場を出て、大浴場を教えてもらった。
二人はこれから家の中であろうと私の傍にはどちらか一人はいなければいけないらしい。
だから、二人の部屋は私の隣になると。
「俺達も百合学なんだ。クラスも一緒になるだろうな。」
『それはちょっと安心。男になれ、か……。一人称どうしようかなー。やっぱ俺?』
「そこ!?」
「僕に一票!」
「俺に一票!」
『……俺だなぁ。僕って、あのクソ爺浮かんで寒気がする。』
「「頭は格好いいぞ!?」」
『……あ、そうですか。』
キラキラと眩しい目で私に詰め寄り、鼻息荒く祖父の武勇伝を話し出す二人を適当に受け流した。
さっき、宴会が始まってすぐに祖父は静かな声で私に守らなければならない決まりを言った。
「一人で外出してはならない。出掛ける場合は絶対護衛を連れていくこと。守らなければ最悪、大吉か諭吉が盾になって死ぬ。君はこれから、守られる立場になる。しかし君は家族を背負って守る人間にならなければならない。それを肝に銘じなさい。紺の命は君だけのものじゃないよ。仕事のことは追々話す。」
そうだ。
私の命は私のものじゃない。
父と母がくれたもの。
『はぁ……重い。』
未だピーチクパーチク言っている二人を無視して、これからの日々に想いを馳せるのだった。
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