第15話
哲司の刺さっている襖の方から、朝見かけた黒髪のチャラい男が爆笑しながら顔を出した。
その後ろから、真顔を少し歪めたスキンヘッドとダンディーな見た目年齢詐欺爺。
「紫織……なんで泣いてる?どうした?」
「勲っ……!」
泣いていた女の人は祖父の名前を呼びながら、何故か私に抱きついた。
「紺ちゃんにっ!!紺ちゃんに会えたぁ!!」
「そかそか、嬉しいんだな。僕も嬉しいよ。でも、紺が困ってるから涙拭いて、可愛い顔見して?」
『うげぇ……爺のラブシーンとかヴプッ……』
「じ、じじいだぁっ!?頭に向かって!!このアマ!!」
『私が爺に爺って言ってお前にとやかく言われる筋合いねぇよ!』
諭吉と大吉以外の男たちが米神に青筋を立て、今にも私に殴りかかりそうな殺気を立てている。
祖父は女性──多分祖母なのだろう人を避難させてた。
祖母も見た目年齢詐欺だった。
私の母に良く似ていて、こちらもまた童顔。
『来いよ。私もお前らに腹立ってんだ。』
フッと笑った私に、男たちは我慢の限界が来たようで殴りかかってきた。
さすがその筋の人間だけあって、一撃一撃が重く重心も安定している……が、私は物心つく前から護身術を叩き込まれてきた。
それもあの最強の父から。
そして父の娘である私は、到底女とは思えない強靭な怪力を受け継いでいた。
「ヴッ!!ガハッ!!」
「グゥッァァァッッッ!!!」
男の拳を握り潰し、苦痛に顔を歪めた男の肩を捻りあげ脱臼させた。
そして、また別の男の首を掴んで哲司の隣の襖に投げ刺した。
「ご、ゴリラだ!!」
この騒ぎに何処からともなく聞き付けた男たちが群がってきて、私を捕獲しようと網まで持ち出して参戦する。
参戦してきた男たちは置いておいて、さっき大吉が倒れたときに注意したのにも関わらず大吉よりもムカつく小娘を優先した男たちには腹が立っていたから手加減せず動けなくしていく。
最後の一人の鼻が折れて血が飛び散り、よろめいた男の腹に強烈な回し蹴りを入れた。
「っくそ……」
動きを止めた私に、殺気立った男たちが囲い込んで私を拘束して祖父の前に座らせた。
「腕っぷしはさすがだなー、紺よ?想像以上だ。」
クックッと喉の奥で低い笑い声を出す祖父に、私を抑え込んでいた男たちが困惑して戸惑っている。
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