第13話

『私は両方倒れるに5416円!』



そして私も、男たちと混ざって少年たちに賭けた。

私の現在の所持金。

共倒れに賭けたのは私一人だけだった。



盛り上がりに盛り上りを見せた少年たちの喧嘩は、茶髪の渾身の一撃を入れて赤髪が倒れて終わった。

赤髪に賭けていた方は絶叫し項垂れ、茶髪に賭けていた方が歓喜の声を上げた────が。



次の瞬間、茶髪も力尽きて倒れた。



そして私一人歓喜の声を上げて、全員から金を巻き上げた。



「くそおおお!!」



『へっへー!私賭け事で負けたことないんだよねー。』



「嬢ちゃん、いい読みしてんな!」



赤髪よりも茶髪の方が良いところに拳が入っている回数が多かったが、茶髪は赤髪よりも汗をかいていて暑さに頬が赤くなっていた。

息も荒かったから、勝ったところで暑さないしは脱水状態で倒れるだろうと思ったのだ。



『あの茶髪、早く涼しいところで水飲ませてやんないと危ないよ。』



「おお!」



「いや、いやいや!!俺も流されてたけどちょっと待て!!何気にこの子馴染んでるけど、男の喧嘩見て喜んで賭け事してる女の子って変だろ!!」



「忘れてた!てめぇ何者だっゴラッ!!」



私もさっきまでの険悪な空気をすっかり忘れていた。

再び誰かが私の肩を骨が軋むほど掴み、全員がにじり寄ってくる。



『いや、まずあの茶髪くんまじで危ないよ?脱水状態起こしてるだろうし。この炎天下で熱中症になるぞ。あの子ここの仲間なんだろ?面倒みろよ。』



「ガキが指図すんじゃねぇぞ!」



ブチッ、と頭の中で音がした気がする。

次の瞬間には、私の肩を掴んでいたはずの男は宙を舞い、庭園の中に見える池らしきところに落ちた。

キラキラと水飛沫が上り、男たちはポカーンッと効果音がつきそうな顔をしている。



茶髪の方に近寄ると、赤髪が上半身を起こして頭を振っていた。

最後の一発が顎に入ったからだろう。



『おい、しっかりしろ。』



茶髪の鳩尾を殴ると、ヴッと唸ったが目は開けない。

楽しませてもらった礼だ。

仕方なく茶髪を肩に担ぎ上げ、赤髪の胸ぐらを掴んで立ち上がらせる。



『おい、水と塩分取れるもん持ってこい。』



「あ”!?てめぇ誰だ!!」



『こいつ、死ぬぞ。その方が都合いいか?』



「っ……くそっ。」

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