第4話

「紺!!」



『……どちら様ですか?』



ある日、涼しい家で勉強して時のことだった。

母がグリーンの瞳のダンディーなイケメンを連れて帰って来たのだ。

全く知らない人にいきなり名前を呼ばれて駆け寄られても、不快感しかない。

イケメンの間抜けな顔もなかなか面白い眺めだが、そんなことよりも父と言う完璧で格好いい男がいながら別の男を家に入れた母を睨む。



「こ、紺ちゃん……覚えてない?」



母がすっとんきょうな声を出して私を見る。

覚えていない?

私は特別記憶力が良いのは両親なら知っている。

何せ尊敬する父譲りだからね。

そして、こんなダンディーな男と知り合いなら忘れるはずもない。



リビングからキッチンに向かい、あるものを持って二人がいるリビングに戻った。



『母、父という者がいながら……』



「ちょっ!!紺!!お母さんに何向けてんの!?」



私の手に握られた果物ナイフに焦った声を出す母に向かって、それを思いっきり投げた。

それは母の横を通りすぎて玄関の扉に刺さった。



「こんの!!馬鹿娘!!なにしてくれとんのじゃ!!」



『あ”?日本で一人悲しく頑張る父に代わって母の目を冷ましてやろうとしてんだろ!?』



私の胸ぐらを掴み、顔に似合わずドスの効いた声を出す母を睨み付ける。



「はははっ!こりゃ!アオに似たなぁ~」



『アオ……母と随分仲が宜しいようで?何用ですか?』



男はさっきの親子喧嘩を見てもヘラヘラと笑い、ソファーに腰を下ろした。

さっきみたいな母との言い争いはたまにあることで、これを見た友人は大体引くのだが男は全く気にも止めていないようだ。

それよりも、何故か懐かしそうに目を細めている。



「誰彼構わず喧嘩を売るような馬鹿ではないことに安心したよ。小さい頃に会ったことがあるんだが、柳勲やなぎ いさお。青伊の父で、君のおじいちゃんだ。じいじって呼んでいいぞ?」



『母の、お父さん……祖父でしたか。』



「じいじって呼んでいいぞ?」



『……。』



呼ばねぇぞ。

まず見た目が祖父じゃない。

母と同じく外見年齢詐欺だ!



たしか母から聞いた話では、祖父母は日本で暮らしていると聞いていたが何故ここに?



『祖父、どうしてここへ?』



「孫娘に会いに来ちゃまずいか?」



『いいえ、でも……それだけのために多忙な祖父が時間を作って外国に?』



「……それだけじゃダメかい?まあ、勘が鋭いのは話が早くて助かるよ。」

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