第58話

しかもそれに気づいてくれたらしい、カラスさんはこちらを向いて…






「…真野?」



とオレの名前を呼んだのが分かった。



しかし、未だにオレとカラスさんの間には人が多すぎて、姿を確認することは出来ない。




でも先程よりは少なくなったから…と思い、駆け出そうとすると───










「おい、邪魔だ。退きやがれ。」





カラスさんは以前助けてもらった時に、男達に向けたような声を野次馬達に向けた。




その声に怯えた野次馬の人達は、そそくさとオレの前から退いて行く。






そして、オレとカラスさんの間に誰もいなくって初めて今日……







「カラス…さん?」



「真野。」




「カラスさんだああ!!」




子供のようなハシャぎようで、彼の元に走って行くオレ。

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