第61話

まあ、平たく言えば、土下座というものですけどね。



それを見た柳生君はにやりと笑ったのが分かり、声のトーンが少し上がった。




「いいぜ。」



それを聞いた瞬間、オレは勢いよく地面とこんにちはをしていた頭を上げて、彼を見た。



もうにっこにこの笑顔付で。



しかし、それも一瞬の間だけだった。



彼の表情を見た瞬間に、その笑顔も嘘のように消え去って行った。



そう彼は、悪魔のような笑顔で言ったのだった。






「もちろん、ただでとは言わねえよ。……条件付だ。」




……恐ろしい笑顔でオレを見降ろしていたのだから。



これはもう、殺される覚悟しましたね。



こんな事なら兄貴に殺されたいた方がマシだったのかもしれない。



だって写真ならいくらだって撮れるしね。



でも……ね。



オレの命は一つなんだ。



だから、ここで殺されるともう命はないということなんだ。



ああ、お許しください……父よ。



ここで命を落とす事になる愚かな娘をどうかどうか、お許しください。



私は、父の事を本当の父のように思っていましたよ。



いや………まぁ、本当の父なんだけどね。

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