第8話

ゴクリと音をたてて、息を呑む。



オレはヤツが話すまで黙っている事にした。




どちらも話さない時間は続き、彼とオレは向かい合うように睨んでいると、彼の方から口を開いた。




「見ない顔だな。」



彼にそう言われて、オレはまたそれに怯えつつも、口を開く。



「そう、ですよね。」



気迫に……負けそうになる。



辺りには何にもなく、ただオレ達の横を風が通り過ぎるだけ。



そんな風を受けながら、オレは彼を見つめていると、次の瞬間。





キンコーンカーンコーン…──



何の合図かはイマイチ分からなかったのだが、チャイムが鳴った。



「……ちっ。」



「あ。」



お互いに、チャイムの音にびっくりさせられる。




いや、彼は舌打ちだったけれども。





いや、しかしまあ……どうしよう、気まずい。



そう思って、彼を見ていると、ヤツはオレを肩越しで見下げつつ……





「2時間目の始まりの予鈴だ。おい、お前、何組だ?」



そう問われた事にびっくりしてオレは咄嗟のことだったので、早く答えた。



「知りません。」



いや、まあ実際に知らないしね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る